スマブラって、どんな人がなにを目指してプレイしているの?それをノンスマブラーにも伝えるシリーズ個人ブログです。
この “第2章” は、大会を配信する側の記述です。
スマブラの大会が、日本で盛り上がっていることは、これまでの記事で見てきました。
日本最強決定戦は、もちろん配信があります。様子・結果は動画としてアーカイブされますので、参加される方はどしどし歴史を刻んで下さい。…ここでは、そんな大会の配信を行っている、SHI-Gという集団を見ていきます。
1. SHI-G とは
配信クルー “SHI-G” (しぐ or えすえいちあいじー)は、日本各地に人員を持つ組織です。オフライン大会(おなじみ “ウメブラ”,“スマバト” など)の生放送を手がけ、オンライン大会の運営/生放送をしています。もちろん、ウメブラF.A.T.も配信します。発足は2014年6月です。
SHI-G ウェブサイト
SHI-G 放送局
(SHI-G ツイッターアカウント↓)
{% oembed
https://twitter.com/SHI_Gaming/status/629565323247665153
%}
(大会情報を追うなれば是非フォローあれ。)
また、イメージキャラの しぐれーぬ がおり、ひょこひょこ出現しては画面に花を添えています。(今回のトップ画も同じく。)
(しぐれーぬ 発表ページ)
http://shigaming.com/articles/20150619.html
(Apex2014での一枚。左:SHI-G代表 しみたけ氏)
SHI-Gを作った経緯・志について、代表のしみたけ氏はこう語ります:
「Apex2013, 2014とアメリカの世界大会へ行き、そこで当時日本にない熱狂的な歓声や舞台を見て来ました。その歓声や舞台での盛り上がりを見て、日本でもこの盛り上がりを再現してみたいと思ったのがきっかけです。また、こういった取り組みは日本のゲーム業界ではまだなかったので、それに挑戦してみようとも思いました。」
配信クルー??
配信クルーとは。世界の配信クルーでは、Team Sp00ky(チームスプーキー)が有名でしょう。EVOの配信を行っている組織です。また、スマブラ界ではVGBootCamp(通称 VGBC)が有名です。
彼らは、大会運営では無く、生放送+動画に特化したグループです。大会運営と配信を分化し、其々が各仕事に専念することで各々のパフォーマンスを上昇させます。
また、大会と放送は一意に結びつけるのではなく、幾つもの配信ブランドが割拠して大会の配信権を争います。ここには市場競争が生まれます。こうして皆がより良いサービスの提供を目指し、アメリカのe-sports界は進化を続けてきたのです。
上のしみたけ氏のコメントにある「それに挑戦してみようとも思いました」には、こういった背景があります。
2. Analytics
“Analytics” とは、訳せば「分析指標」ですが、これは配信局の目安となる数字のことを言います。
そのAnalyticsを並べます。ウメブラ生放送は最大同時視聴約1500名。動画は最大で約26万再生。KSB予選を放送した際は、約2500人同時視聴でした。
(視聴者数最大の動画↓) {% oembed https://www.youtube.com/watch?v=gU_EClaO7Sg %}
(最近の動画↓) {% oembed https://www.youtube.com/watch?v=lC1ZhfLrSeE %}
…こちらも一種の “最強” を目指しているのです。
3. 影響力
キャラランク
SHI-Gは、メタゲームの変遷の記録として、キャラランクを各シーズン出しています。最初に出したキャラランクは2014年9月のもので、ゲーム発売からすぐの登場でした。この記事単体で、ページビューは30万を越えています。
(最初のキャラランク) https://game8.jp/matome/14157
SHI-Gのキャラランク(tier list)は海外でも注目度があり、発表時に議論をする動画が作られるほどです。
{% oembed
https://www.youtube.com/watch?v=ZH0i9XRzLos
%}
嘗て一度、SHI-Gの出したキャラランクが海外のZeRo選手の動画にも登場したのを見たのですが、いま見つけられませんでした。あしからず。…このZeRoというプレイヤーは、「スマブラWiiU」のゲーム発売から未だ無敗。EVO2015では、1ゲームも落とすこと無く1900名以上のトーナメントを優勝するという快挙を成し遂げました。
(ZeRoを取材したRedBullさんの記事) http://www.redbull.com/jp/ja/games/stories/1331726605831/zero-on-his-past-and-the-future-of-smash-bros-4
ルール…?
そのEVOで言えば、SHI-Gの動画で一つEVO2015のルールに影響したものがあると言われています。“シークゲッチ” の伝説の動画が、EVO2015サイドトーナメント:スマブラWiiUダブルスで “シークゲッチ禁止” を引き起こしました…ようです。
(以下、例の動画) {% oembed https://www.youtube.com/watch?v=FAe3lmYSkM4 %}
シークゲッチとは、ダブルスにて シーク + ゲーム&ウォッチ という2キャラで組むことを呼びます。(スマブラではダブルスが存在するのです。そこはどうか受け入れて下さい。)これらのキャラ特有のコンビネーションを用いれば、とんでもない一撃必殺を放つことが出来ます。この技術は日本では有名でしたが、海外では知名度が無かったため、6月のこの動画のリリース以降reddit(=ゲーマーなら見かける海外のスレ)が沸き、CEOでは遂に即席コンビ(=Mr.R & Anti)がこの戦術で優勝まで果たしてしまいました。
(CEO2015 Smash4 Doubles Grand Finals) {% oembed https://www.youtube.com/watch?v=ART2vWwyKLo %}
明確な証拠が無いため、これは神話に過ぎないです。しかし、上のSHI-G “シークゲッチ動画” だけは、視聴者割合のうち海外からのアクセスが他動画と比較して約20%多いのは事実です。
4. 未来
日本スマブラ界は以前に無い盛り上がりを見せていますが、この偏西風を帆に受けて、SHI-Gも活性化してきました。筆者がSHI-G出身ですので、嬉しい限りです。
そしてウメブラF.A.T.で、さらなる業界活性化の旗揚げになるはずです。SHI-Gがスマブラの歴史全てを作っている訳では当然無いのですが、大いに熱狂するウメブラF.A.T.にてプレイヤーの皆さんは伝説を作っていただき、SHI-Gでその形跡を残せれば幸いです。
日本のスマブラ界が、未来どうなってほしいか、SHI-G代表のしみたけ氏はこう語りました:
「SHI-Gが出来た当初と比べると少しずつ盛り上がりつつありますが、まだまだ海外には及びません。将来的に、日本も海外と同じくらい熱狂的な盛り上がりを見せてほしいと思っています。またこれを見てスマブラに興味を持ってくれる人を増やし、そしてスマ勢の人口が増え、より競争率の高いゲームとなってほしいです。」