恋心は超グリーディ

普段質問されることを文章起こした場所です。ライブ配信やゲームイベントにまつわるものです。もしくは、たまに筆者の趣味の文章が交じります。

May 17, 2016 -

実績あるゲーマーがプロゲーマーになるためにすべきこと

歴戦のゲーマーがその累々たる実績をひっさげて、寝かせておけば芽が出てプロゲーマーになる訳ではありません。天下無双の英雄であればそうかもしれませんが、ゲーマー誰もが英雄ではありません。そこで、英雄でない人はどうアクションを取れば良いのでしょうか。
最近は「eSports業界」に仕事として飛び込むことに興味がある人(ライター, 大会運営, 機器メーカー)もいます。そういう方にもあてはまる内容なので、参考にして頂ければと存じます。

ここで言う「プロ」

“TSM” に所属する ZeRo がこう言いました。 {% oembed https://twitter.com/TSMZeRo/status/724345931194347522 %} {% oembed https://twitter.com/TSMZeRo/status/724346828704067584 %}

要約「スポンサーに本気で見て欲しいなら、本気で振る舞いなさい。」

このブログ記事は、この発言に端を発します。

プロとは、ここでは「スポンサーを獲得する」と捉えましょう。スポンサーには単企業から受けるモノと、チームに所属する形式のモノがあります。「スポンサー獲得」は、古く芸術の「パトロン獲得」にまで遡れば、人間文化の歴史に厳然と存在してきた壁です。
プロゲーマーに恋い焦がれる者は、この壁を超えなければ目標像には届かないのです。しかしどんな困難も「恋の軽い翼で飛び越える」(ロミオとジュリエット, 幕2)と言いますから、行動力に自信あるゲーマーの皆さんならば気持ちは負けないでしょう。
しかし「気持ちだけで 一体何が守れるっていうんだ」(ガンダムSEED, phase-18)と言います。自身がプロたる気持ちがあっても、正しい行動が無ければここで言う目標は達成出来ません。

自分は分類すると「給料を貰っているゲーマー」ではあるのですが、ゲーム競技最上位勢が目指す「プロゲーマー」では無いです。そのため、天からの啓示ではなく横槍の発言になってしまいますが、自分の知っていることが日本の一助になればと思いポジティブに書きます。

すべきこと1.履歴書

スポンサーを獲得するためになにをすべきか。まずは履歴書を作りましょう。スライドを作りましょう。文章形式でも良いです。

一般的に海外では、履歴書がネット上にあることが求められます。海外スポンサーを狙うのであればご参考に。

また、思ったよりも派手に書きましょう。アメリカでは…例えて謂うなれば日本人がTOEICで750点もあれば、その日本人は “Master of English” と自称します。美文体で書くことに慣れているため、かなり派手に表現します。だからこそ、数字を厳密に査定すると考えても差し支えないと思います。
日本語でもそれを参考に、履歴には数値的証拠を客観的に並べ、できるだけカッコイイ文章で自分を表しましょう。(ただ、自分の数字を使うように。身の丈に合わないような数字を近くの業界・海外の市場から引用して、自分を派手に見繕うのは好きではありません。)

すべきこと2.営業

自分からチームに声を掛けないと無理です。

しかし、大半の会社・チームはメンバー募集を出しません。足りなくて瀕して後に初めて募集を出すものです。それを待つのは悠長かと存じます。即ち、「イケそう」な所に自分から声を掛けに行くのが上策です。
確かにドラフト会議やライセンステストがあるスポーツでは、そこを突破すればあとはコーチ・スカウトマンが自分を評価してくれる訳ですが、ゲーマーの社会はそういった構造はありません。考えてもみれば、プロゲーマーのマネージャーさんも新しい選手を採ってくることよりも、今いるプレイヤーを伸ばすことを第一に考えますよね。チームに所属している選手・メーカーがスポンサーについている選手にとっても、親元が常に周りのプレイヤーによそ見して浮気していては心許ないです。

ではどうやって「イケそう」かどうかを見抜くのか。それはオフライン大会に行くことです。
ゲームのオフライン大会には、様々な人物がいます。新しい業界に進出するため、視察をしている業界人も来ている可能性があります。大会は、ただ人が物理的に居るだけの場所ではありません。人がいればそれだけの情念があります。

すべきこと3.発信 <追記>

上の内容とも被る所がありますが、情報発信はあらゆる面で肝要です。
若い人は当然の如くSNSやブログを持っていますが(ブログはややマイナー?)、伝統的なゲームをする堅実且つ硬派なプレイヤーほど、自己プロデュースをしない人・デジタルに弱い人が多いです。そして、結果を求めるを上と為し、情報発信をする軟派な立ち回りを避ける場合があります。

発信が大事であることには理由があります。自分の魅力を数値化できるところです。
企業・チームは、ネット上の拡散力・視認の数字を価値に置き換える手法を持っています。たとえばSNSでのフォロワーであれば、そのプレイヤーがどのくらいの価値であるかを査定できるのです。かなり失礼な考え方ですが、しかしそれが無くてはお金を出す側も不安なのです。「ツイッターはしていないですがXXXさんはカリスマです」というのは、他者の推薦があっても信頼しづらいのがビジネスです。パトロンにとっても身を削る投資ですから、発信力でスポンサーを安心させるのが、心理的な大手だと考えます。

更に<追記2>

{% oembed https://twitter.com/TSMZeRo/status/768162884484337664 %}

「esportsで成功するには、コンテンツクリエイターでなければ “ならない”。それもかなりの量をクリエイトすべき。競技し、高順位につけても不十分である。」

少し経ってのちのZeRo(2016年8月)です。最近スマブラWiiUでプロ化するプレイヤーがアメリカで乱立したために発したツイートかとも推察出来ます。確かにプロ化するプレイヤーは結果と直結してはおらず、日本から見ていると疑問に思うこともあるでしょう。しかし、そこには差があるようです。

以上

日本のゲーマーは「eSports社会」が身近でないことから、社会的立ち回りの知識が不足していることが多いです。
「パワポが分からない」「文章が書けない」と言い出す人は多いと思いますが、持論として、スキルは「必要に迫られたらやる」のではなく「必要に際してやれなくて後悔する」ものです。まだ学生であったり若い方は、これを参考に、スキルの習得に精を出して頂ければと思います。

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