最近、アメリカ合衆国(USA)に於いて、トランプ大統領任期 中間議会選挙が行われました。そこで見た知り合いのゲーマーの言動から、日本での選挙について思うことがあったので記します。
今回は全体としては、「インプレッション」と「エンゲージメント」の違いについて説明しますので、もしご存知の方が居ましたら放置で良いです。お疲れ様でした。
アメリカの選挙とEsports
まずは導入・話題提起の段落です。私は政治・選挙については野次馬のファン層に過ぎないので、主観まみれになります。
まずはこちらの画像群を御覧ください;
<img src="/images/election/4CE04C54-3437-41AA-B0DE-F6FA1B06E5EB.jpg width=“150”> <img src="/images/election/スクリーンショット 2018-11-07 18.01.53.png width=“150”> <img src="/images/election/スクリーンショット 2018-11-07 18.00.58.png width=“150”>
{% oembed https://twitter.com/LiquidHbox/status/1059933487568953345 %}
これらは、私の知り合いのゲーマーたちが選挙について喋っているツイートです。djWheat と Fishstix は「民主党に投票に行け」と “指示” しています。最後の Hungrybox は最近アメリカ国籍を取得しました。そのため他の帰化を考えているアメリカ在住アメリカ人に対して「次はお前の番だ」と応援をしています。
アメリカには全体的に、選挙について自分の意見を表明する文化があります。Taylor Swift が民主党に投票する立場を表明したニュースを聴いた方も居るかと思いますが、個人についても同様です。自分の意見を述べることで忌み嫌われたり、ハブられたりすることはありません。誰もが意見があり、違うということが文化的背景にあるからです。
私がここで問題にしたいのは、ゲーマーが投票について政治的発言をすることについてです。
日本の選挙とEsports
そういえば、日本でも選挙と esports が絡んだことがありました。こちらのイベントを御覧ください↓
細山田プロデューサーによるツイート {% oembed https://twitter.com/hosoyamada_mizu/status/919414795522027521 %}
2017年衆議院選挙に向けて、若者へ投票をアピールするためにesportsが使用されました。(Esportsというよりタダのゲームじゃんというツッコミをしてはいけない。)衆議院は解散からの一斉選挙ですので一大イベントです。やっぱり若者にも投票して欲しいですよね。勿論このイベントは効果があったようで、結果報告が小野さんの手によって行われました。↓
(小野さんはゲーム業界からの信頼の厚いベテランのゲームジャーナリストですので、新興産業に群がる怪しい人ではありません。)レポートは効果測定は無いということで定性的な評価でしたが、そこでここでは厳しく上を追求してみましょう。この宣伝は最適解だったでしょうか?
そしてアメリカの選挙宣伝と、日本の宣伝でどのような差があるでしょうか?
宣伝効果の定量的測定
ではそもそもの前提として、「宣伝」とはなにかを一つの指標から考えて見ましょう。
- 「これがどのくらい宣伝効果があったのか?」
- 「AとBでどちらの方が宣伝効果がありましたか?」
を図る指標はなんでしょうか?
日本では主に以下の指標が使われるでしょう(偏見):
- 「記事が何PVあったか」
- 「何回動画が再生されたか」
- 要するに「何クリックされたか」「何回アクセスがあったか」
これらまとめて「インプレッション」と呼ばれます。
インプレッションの問題点
インプレッションに負の問題点がある訳では無いのですが、私は大きな価値のある物理量ではないと考えています。インプレッションは「目についた人がどれだけいるか」という数値です。単に多くの人の目について欲しいという目的があるのであればインプレッションを求めるのは妥当です。しかし企業であれば目的はその先にあります。
目的は:
- 「商品を買って欲しい」
- 「チケットを買って会場に来て欲しい」
であることが多いため、インプレッションでは不十分です。実際に買って貰えたかどうかを追うことが本筋です。
「エンゲージメント」の提示
- 「実際に買って貰えたか」
- 「実際に会場へ来たか」
- 「実際にウェブサイトを見たか」
程度の差こそ様々なれど、行動に移したかどうかの指標を「エンゲージメント」と呼びます。エンゲージメントはすごく定義が曖昧で、使う業界によって意味合いが異なります。とりあえず「行動に移したか」の指標です。
エンゲージメントの例を見てみましょう。ツイッターでご自身のアカウントからもご覧になれます: https://analytics.twitter.com/

ツイッターではおそらく、エンゲージメントは「そのツイートをクリックしたか」「RT/favしたか」となっています。特に:
- エンゲージメント / インプレッション
の数値を「エンゲージメント率」と呼びます。ツイッターでは、画像つきツイートは文章のみのツイートと比べて10倍ほど(主観)エンゲージメント率が高い傾向があります。
※こちらのブログにも「フォロワーではなくエンゲージメント」という画像がございますね。 https://note.mu/mitonista/n/n295f293d88a7
ゲーマーのエンゲージメント
ここからはより机上の理論をただ推測で書くだけになって来ますので、あまり真面目に捉えないでください。
ここでの意図は「有名ゲーマーはエンゲージメント率が高い」ということです。
プライバシー的な数値ですので具体的な数字で語ることはここでは出来ないのですが、 一般的な「有名タレント」は、フォロワー数が多いものの、本当にターゲットにしたい層へのエンゲージメントが低い傾向があります。なぜ?と言われましても人それぞれですが、解り易い例では声優さんの事務所公式のツイッターアカウントをイメージいただければと思います。フォロワーは多いですが、RT/いいね に関しては、そこそこ有名なゲーマーのアカウントの方が数字が大きそう…という理屈は体感頂けるでしょうか?親近感があり、共感しやすい方の方がソーシャルメディアでのエンゲージメントが増えます。その点で、著名なゲーマーはエンゲージメントが高めです。ここの理論を①とします。
ここも推論ですが、RT/いいね を多くもらえるパーソナリティほど、商品の宣伝に有効です。RTを稼げる人は、物品を売ることに繋がります。この理論を②とします。
①と②を併せて、推移律から、著名なゲーマーは商品の宣伝に有効です。
もし貴方が企業に居て、なにかを「売りたい」というミッションがあったとします。そういう時に誰かを起用したいならば:
- コスト / エンゲージメント
が低いほど、起用すべきパーソナリティということになります。コストは有限で、その中でなるべく多くの商品を売りたいためです。宣伝が目的なのではなく、売ることが目的だからです。
では、政治とゲーマーの理論値は
最初の章で述べたようにアメリカでゲーマーが「選挙に行け」ということは、そのフォロワーに強く行動に移す効果があると言えます。実際の投票に多くつながることでしょう。この辺をアメリカの方はネットの使い方として理解しており、実際私にこの理論を最初に教えてくれたのは今所属しているアメリカ企業です。
では、日本の選挙プロモーションはどうすればもっと上の効果を目指せたでしょうか?「Esports でイベントを行いました」とマスコミの力でアピールすることは凄く大きな「インプレッション」への効果があったと思います。この効果はまず否定できません。非常に有意義だったと感じます。しかし、わざわざ若者に投票という行動にまで移して欲しい = 「エンゲージメント」へ効果を持たせたいのであれば、単純に、ゲストでいらしていたプレイヤー(例えば Sako さん)に「〇〇党に入れて」と言って頂くことが最適解なのではないでしょうか?
以上、
これら「エンゲージメント率」にまつわるお話は、インフルエンサーマーケティングであったり、Esports アスリートを企業がスポンサーする際だったり、そういう時に使われる理論の表層です。実際には、これに追加で変数があったり、計算外の要素があったりするため、最終的には経験が必要になって来ます。
申し訳ございませんが、私は職業上この理論を歩行のように当然に使いながら生きているため、説明不足の点があると思います。ただ、私の目的は次のブログ記事にあるため、その前にこちらの理論を読んでなんとなく理解頂けたなら幸いです。