恋心は超グリーディ

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Jun 14, 2019 - others

今夜勝ちたいDota2 勧誘編 ~初心者がAutoChess勢に捧ぐ~

Dota2 をプレイし始め100時間が経過しました。「Auto Chess をきっかけに Dota2 をダウンロードしたけど、ついでなら本家 Dota2 をやってみよう!」と思い立った人に読むものがあればと思い、これを記しました。初心者の私だからこそ、最初に欲しいけれど盲点だった情報が掴めるように書いたつもりです。

今回のDota2については勧誘編とプレイ編の前後編となっております。今回は前編:勧誘編のため、Dota2 がどういうゲームで、どう遊び始めれば良いのかをまとめました。 後編:プレイ編は こちら です

Dota2とは

Dota2 は MOBA というジャンルにあたるゲームです。平面のマップ上を 5人 vs 5人で対戦する形式で、よく「戦略ゲーム」といった形容のされ方をします。
全員レベル1からスタートし、雑魚敵や敵操作キャラと対戦しながらRPGのようにレベル上げをしていくゲームです。最終的には敵キャラを倒すことがゴールではなく、敵拠点を落とすことが勝利となります。

網羅的なゲームプレイの紹介は洗練された他の Dota2 記事にお任せしたいと思います。特に Game Spark さんのこちらの記事 が網羅性が高いのでオススメです。

“代替メッセージ”
[ Game Spark さん『今からはじめる『Dota 2』 ― Valveが贈るMOBAの魅力を徹底解説 』 , 2014年]

※Dota2 ですが、ゲーム内で Mod(ユーザーによるゲームの自主改造)を配布する機能がついています。Auto Chess はその一つでした。

このゲームは、はじめはマウスの右クリックとQWERキーでほぼすべての操作をするため、操作の難易度は非常に低めです。(たまに左クリックが出てきます。)むしろ知識であったり、画面を見る能力、そしてそれらを総合して下す状況判断が勝負を分けます。

では実際に Dota2 をプレイして、

  • 対人戦が出来るようになりたい
  • 大会(The International など)を見て楽しめるようになりたい

という方が、こちらをご覧になっているかと思います。ここから、Dota2 をプレイするにあたってのポイントを述べて行きます。

{% oembed https://twitter.com/WeeklyEsportsJp/status/1137254867020308480 %}
[おまけ:池袋LFSで開催される Dota2 毎週対戦会]

小題:わざわざDota2を選ぶということ

Dota2が他のMOBAと比べるとどう異なるのでしょう。MOBA には他に League of Legends (以下 LoL)もございます。日本の方は特にLoLを選ばれる方が多い中、Dota2を選ぶポイントは何でしょうか。

“代替メッセージ”
[図1. Dota2のキャラ選択画面]

まずゲームの世界観が硬派です。操作キャラには日本のアニメ的美少女はおろか、“ネコ耳” みたいなケモナーに刺さるタイプの者すらおらず(※主観です)、ほぼ魔獣に分類できると云えるでしょう。Final Fantasy であれば全員敵モンスターかと思います。ただこの世界観は、最近日本人の私が忘れていた、フィクションの世界でクリーチャーが戦う空間へいざない、童心へ還してくれる美しいものです。Auto Chess を遊んだ方々はなんとなくイメージが湧くでしょうか。

そして、Dota2 は MOBA の中では最も難しいと “云われて” います。ここの “云われる” がミソで、難しいと云われる点には:

  • マップ(戦場)が広い
  • Deny の要素
  • 操作キャラの振り向きに時間がかかる
  • 「戦略ゲーム」には似つかわしくない技のダイナミックさ
  • アイテムでキャラ性能が大幅に変わる

が挙げられます。いずれも少しプレイすればこれは「難しい」のではなく、「深い」のだと分かる要素です。こういった要素が好きな方はぜひとも Dota2 をプレイして欲しいです。

Dota2 のダイナミックさ(アクション要素の高さ)については 『Dota2を1000時間以上プレイした私がLOLを遊んでみた。Dota2とLOLの違い。』 でも述べられています。

ボトルネックと弁明

Dota2 については、プレイする前に不安になる方も多かいと思います。「世界で長年ユーザーを魅了する大人気ゲーム」と云われると、尻込みしてしまうのが日本ゲーマーの性というものです。よく挙げられる不安を、以下に並べて取り払って行くとします。

■「MOBAやったことないんですけど…」
大丈夫です。私も初めてのMOBAでした。

■「Dota2難しいって評判を聞いたんですけど…」
全然難しくありませんでした。完全に推測ですが、おそらく日本のDota2プレイヤーが新規勢を勧誘しづらい理由として「LoLと比べて押すボタンが多いため難しい」ということを考えがちでその評判を音に聞いて忌避した人も多いと思います。
むしろ逆なのです。少しいじれば対人戦に飛び込めますし、他のアクションゲーム(格闘ゲームやFPS)と比べて「おもしろい!」と感じるまでの時間が短いゲームです。確かに知識があるほど対局全体に実力差が出ますが、ミクロ的に見れば上級者と初心者でも平等なゲームです。例えば、どんな上級者であろうともキャラのレベルが同じであれば独りで歩いているところを私が友達と2キャラで殴れば勝てます。格闘ゲームであったら殴って勝つなんてことは有り得ないですが、このゲームはここが敷居が低いポイントです。(じゃあどこで差が出るのこのゲーム?と思いがちですが、そもそも知識があるとこういった不利状況を作りません。)

■「友達いないんですけど…」
コンピューター(AI)と対戦出来ます。勿論1名でも出来ますが、友達2, 3人でコンピューターと対戦も可能です。私も最初はかなり3人でコンピューターと対戦してゲーム性を掴みました。 こちらに「お気軽Dota2」というDiscordサーバーがございます。こちらは昨年に出来たもので、比較的アクティブな初心者がたまっていますので、不安な方も本当に仲間を見つけ易い場となっています↓

こちらのDiscordサーバーは、 『dota2を始めてみた』ブログ にございました。ご活動ありがとうございます。

■「英語分からないんだけど…」
大丈夫です。英語分かっても余り意味がありませんから。
確かにゲームの日本語化が少しだけ入っているのですが、ゲーム内に書いてある各ヒーロー(キャラ)の説明は英語でも不十分のため、性能を調べるのであれば Dota2Wiki ヒーローページ に行くしかありません。

■「パソコンの性能が弱いんですけど…」
ノーパソで不安な方も、最悪CPUが Core-i5 であればなんとかなります。ちなみに MacBook でも(MacOSでも)動きます。マウスだけは手に入れてください。 FPSは高くなくとも致命的な実力差にはならないため、そこまで気にせずOKです。(動作を軽くしたい場合は⚙「設定」の VIDEO タブから映像の画質を落とせば軽くなります。詳しくは こちら のブログの「ゲーム起動」章を御覧ください。Auto Chess についてのブログですが同じです。

こちらのAutoChessブログ でも動作環境テストの結果がございます。ご参考にされてください。

■「試合時間長くない?」
確かにDota2は1ゲーム30-40分かかります。ただ、麻雀よりは短いですし、PUBGでドン勝するより少し長くかかるくらいであり、今ゲームをちゃんとやりたい方であれば抵抗になる時間ではないと思います。片方が投了することもありますので、より早く終わることも多いです。

■「カードゲームはやるんだけど、アクションが絡む対人戦は少し苦手です」
Dota2 は以下「遊び方」章でも述べますが、コンピューターと対戦もできます。また、オンライン対戦に進むと人間と相手するため、相手とバトルすることに抵抗が有る方には厳しいかもしれませんが、そういう方には LH/DN の要素が刺さると思います。Dota2 では序盤に雑魚敵をタイミングよくトドメを刺す要素(=LH/DN)があり、リズム感やアドリブが必要な “作業” となっています。ゲーム内で一人の作業が好きな方にはオススメです。

■「Dota2 すたれないの?」
Dota2 は世界で大人気のゲームである一方、“DotA” の名前を継承する伝統的なタイトルでもあります。DotA の元祖は 2003年に出現し、初代 DotA については 過去のファミ通さんの記事 もございます。Dota系ゲームは現在16年つづく老舗であり、今もその正統後継者を名乗る “Dota2” が “最高賞金額Esports” として続いています。流行り廃りというよりも、世界に文化として根付いたゲームタイトルです。文化だからこそ Dota の Mod として Auto Chess が台頭したとも推測できます。

ちなみに、派生形である LoL と Dota2 の関係については涙なしには語れません。以下note記事 『League of Legendsはなぜ、dota2に完全敗北したのか。』 が非常に長く、読むのに30分ほどかかりますがエンターテイメントとしてオススメです。

遊び方

Dota2 をダウンロードしたら、どのような生活が待っているのでしょうか。

Dota2 はコンピューター(AI)と対戦出来るので気楽に出来るゲームです。Dota2 では Bot/ボット と呼びます。Botが十分に強いので暫くはBot戦で楽しいと感じるはずです。ただ、難易度「ミディアム」に勝てるようになれば対人戦に出ることも大いに可能ですし、「ハード」に勝てるのであれば余裕で大丈夫です。

100時間くらい遊んだ自分でも、「ノーマルマッチ」(ランダムマッチの対人戦, ランクマッチではない)に出たら、自分よりも下手だと感じるプレイヤーがおり、安心しました。おそらく Auto Chess から入った方もいるため、今は初心者も多めなのだと感じます。

Dota2 には、日本サーバーがあります。対人戦では自動で日本サーバーにマッチングします。ただ、これはロケーションが日本にあるというだけで、様々な国の方が滞在しています。色んな国の色んな初心者と遭遇するので、自分が下手でも目立ちません。ここは安心ポイントです。

はじめに

では、いざダウンロードしてみましょう。

Auto Chess やっている人ならばDota2自体は入っていますよね?入っていない方はSteamからDota2をダウンロードしてください。詳しくは Dota2Wikiのこちら

下図のタブ「LEARN」(もしくは「学ぶ」)から「TUTORIALS」(チュートリアル)を選びます。

“代替メッセージ”
[図2. チュートリアル]

第一章(「MECHANICS」)をプレイします。

…あとは実戦で良いです。
画面右下の「DOTAをプレイ」ボタンを押し、「ボットとプラクティス」を選択してください。これでコンピューターとの対戦が可能です。(まず「ソロ」を押します。)

“代替メッセージ”
[図3. 対戦する用のインターフェース。Botとも人間とも対戦出来ます。]

そして「ボットの難易度」を選びましょう。最初は「イージー」にも勝てません( こちらの記事『dota2を始めてみた』も参照 )。ですが、学ぶたびに勝てるようになるため、達成感があります。筋トレのようです。
友達と一緒にボットと対戦したい時は、Dota2メイン画面の左下のウィジェット「フレンド」があります。Steamでフレンド登録している相手をここから「+」ボタンで誘ってください。

…実戦の前に、初歩知識を入れた方が良いです。以下に進みます。

初歩知識

この章は、対戦するゲーム内で必須となる最初の一歩についてです。

チュートリアルではタワーを1本だけ倒しましたが、実戦ではタワーを倒しながら敵の本拠地へ攻め込みます。攻め込むために整備された街道が3本あり、この3本の道を「レーン」と呼びます。基本的に、対戦が開始したら雰囲気で所定のレーンに行き、戦い始めればOKです。

レーンは3本ありますので、レーンごとに「上に2名 - 中央に1名 - 下に2名」と人数を配置すればOKです。ボットと対戦する場合は、自動で空気を読んで人数配置してくれます。所定のレーンで敵・味方の雑魚(クリープ)が発生しますので、倒しながらレベル上げすることが序盤の仕事になります。

レベル6になったらレーンの概念が崩れ始めます。単純に云うと団体戦が始まりますので、マップを見て適宜団体戦が勃発した地域に合流しましょう。これ以降は次の記事で説明いたします。逆に、Dota2 を観戦する場合もここを意識してください。レベル6までは皆さんポジションを守って雑魚狩りをしていますが、そこから急に団体戦が始まります。

番外編:盛り上げるコンテンツ

Dota2 はゲーム自体も面白いのですが、ガチEsportsなので競技を観戦することも十分な娯楽になります。
「観戦長くない?」と思うかもしれませんが、格闘ゲームであれば Capcom Pro Tour などで Top8 を全部見る方も日本には沢山いらっしゃいますが、そちらは3時間で8名の勝負を見ることになります。Dota2 は1試合としても3時間で10名分ですので、…大会運営の視点からは時間効率は良いと私は主張しています。

また、Dota2 を取り巻く映像コンテンツは豊富であり、以下代表的なものですが例示します。

Free To Play: The Movie {% oembed https://www.youtube.com/watch?v=UjZYMI1zB9s %} こちらは日本語字幕がございます。Youtube上で字幕をONにしてください。
ドキュメンタリーです。2011年 “Dota2” のローンチは特別なものでした。そのために版元から用意された舞台 “The International” は、今も続く Esports の殿堂です。はじめての The International を戦ったスターたちを追った内容です。

True Sight : The International 2018 Finals {% oembed https://www.youtube.com/watch?v=Bv4CqIxqTMA %} 英語しかございませんが、The International 2018 の決勝を追ったドキュメンタリーです。シーズン中に選手の引き抜きに遭い、元コーチ Ceb がやむを得ず現役復帰したほどのチーム Red Bull OG は、決勝でパリ・サンジェルマンが所有するチーム LGD(中国代表)と対峙します。その結末は…
この1年については Red Bullからの記事 もございます。

Mara Cup {% oembed https://www.youtube.com/watch?v=bsLe8OSMwR8 %} 昨年の The International 2018 で、日本のDota2シーンを紹介するために流されたPVです。日本で Dota2 をプレイしている人たち、こんな感じです。
今は多方面で活躍する主催のまらさんのTwitch チャンネルがこちら↓

ほか、 『dota2を始めてみた』のこちら にも、日本でも動画・ライブ配信で活動するチャンネルがリストアップされています。

以上

ここまで、Dota2 を触っていないけれど、いざ始めたらどうなるのか気になっている方への導入でした。

このつづき、プレイしてみていかに勝つかに関して、
続編『今夜勝ちたいDota2 プレイ編 ~初心者がAutoChess勢に捧ぐ~』はこちらです

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